くるま情報
第134回:ジュネーブモーターショー(後編) その日まで生きていてくれ自動車ショー
「公共交通機関で楽に行けるところには、クルマを使わない」というのが、イタリアに住んでいるボクの決まりである。
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メルセデスベンツ SLR スターリングモス
助手 「所長、ベンツのSLRスターリングモスってご存知ですか。」
所長 「あぁ、なんか出たらしいの。」
助手 「SLRマクラーレンをベースに1955年の300SLRをモチーフにした新設計のフルカーボンボディを載せたヤツで限定75台だそうです。」
所長 「ふーん。」
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三菱 RVR G:新車試乗記
キャラクター&開発コンセプト
新型コンパクトSUVとして「RVR」が復活
2010年2月17日に発売された新型「RVR」は、三菱の新型“コンパクトSUV”。RVRと言えば、1991年にデビューした初代を思い出す人が多いはず。7人乗り小型ミニバンの2代目シャリオをベースに、ショートボディの4/5人乗りとした異色RVだったが、当時の大RVブームにのって人気車に。1997年に2代目となったが、2002年に販売終了していた。
試乗したのは最上級グレードの「G」
車両協力:中部三菱自動車販売株式会社
車名に関しては8年ぶりの復活となった新型だが、旧RVRとはコンセプトもメカ的な成り立ちも大きく異なる。初代と2代目はミニバンベースの提案型RVだったが、新型は中型SUVのアウトランダーがベースの小型SUV。ライバル車は日産デュアリス、ホンダ・クロスロードあたりだ。
新型RVRで売りとなるのが、その燃費性能。10・15モード燃費はFFで15.2km/L、4WDでも15.0km/Lとし、全車50%エコカー減税対象車としている。燃費対策としては、全車に1.8リッター直4エンジンと6速スポーツモード付CVTを搭載したほか、減速時のエネルギー回生でバッテリーに充電し、発電機の負担を減らして燃料消費を抑える「減速エネルギー回生システム(高効率発電制御)」を採用している。
国内での目標販売台数は月間1500台(発売後1年間)だ。
欧州では「ASX」。1.8直噴ディーゼルターボ+6MT+アイドルストップ付を用意
国内専用だった旧RVRに対して、新型は海外でも販売される。2010年3月のジュネーブショーでは、RVRの欧州仕様車「ASX」を発表。1.6リッターガソリン・5MT車もあるが、目玉は三菱“重工業”と共同開発したというアイドルストップ機能付き1.8リッター直噴DOHCディーゼルターボ「DiD MIVEC」(150ps、30.6kgm)+6MT仕様だ。
価格帯&グレード展開
178万5000円からスタート。主力グレードは200万円前後
3グレード構成で、廉価グレードの「E」、中間グレードでオプション設定の範囲が広い「M」、最上級グレードで「スーパーワイドHIDヘッドライト」、「キーレスオペレーションシステム」(いわゆるスマートキー)などを備えた「G」(今回の試乗車)となる。
また2WDに加えて、電子制御多板クラッチ式の4WDも、「E」では21万円高、「M」と「G」では26万2500円高で設定。排気量が2リッターとなる日産デュアリスに比べて、価格は30万円ほど安めだ。
フロントフェンダーは他の三菱車や提携するPSA(プジョー・シトロエン)で多用される樹脂製で、軽量かつ衝撃に強い
ナビやオーディオは全車オプション。他にメーカーオプションは、「パノラマガラスルーフ(LEDイルミネーション付)+ルーフレール」(10万5000円)、横滑り防止装置のASC(FF車に8万4000円、4WD車は標準装備)などがある。
■【三菱 RVR】 1.8リッター直4(139ps、17.5kgm)・CVT
・「E」 2WD:178万5000円/4WD:199万5000円
・「M」 2WD:192万1500円/4WD:218万4000円
・「G」 2WD:218万7150円/4WD:244万9650円 ★今週の試乗車
パッケージング&スタイル
アウトランダーをベースに、オーバーハングをカット
Cd値は短い全長やボディ形状からすると優秀な0.33
プラットフォームは一回り大きいアウトランダー(全長4640mm)がベース。何と2670mmのホイールベースには手を付けず、前後オーバーハング(特にリア)だけをカットして、全長を345mmも短縮。結果、ボディサイズは全長4295mm×全幅1770mm×全高1615mmと、日産デュアリス(全長4315×全幅1780×全高1615mm、WB:2630mm)に極めて近くなった。室内側の事情で言えば、アウトランダーにあるサードシートがない分、短くなった感じだ。
ボディカラーには写真の「カワセミブルーメタリック」など計8色を用意
そのデザインは、ギャランフォルティスやアウトランダーの新グレード「ローデスト」と同じジェットファイターグリルを採用したもの。ボディサイドには何となくメルセデス・ベンツBクラス風のキャラクターラインを刻む。三菱らしい「ガンダム」感はあるが、初代や2代目のイメージを引きずる世代としては、「RVR」という車名にうまくリンクしない感じはある。
「G」なら上級モデルに遜色ない質感と装備
試乗車はパドルシフト等を標準装備する「G」
インテリアは手堅くブラック基調で、ソフトパッドを多用するなど、質感はまずまず。試乗した最上級グレードの「G」なら、レザーステアリング、オートエアコン、クルーズコントロール、そして意外にも三菱では初というエンジン始動ボタン(ステアリングの左側にあり、少々操作しにくい)も標準装備になる。
またステアリングコラム固定型の、つまりステアリングと一緒に回らないパドルシフトも、「G」に標準装備、「M」でオプション設定される。アウトランダーなど上級モデルと同じマグネシウム合金製のようで、冷んやりした触感や快い剛性感がある。パドルシフトにも各社いろいろあるが、最も使いやすい形状・操作ロジックを持つタイプの一つだ。
全グレード共通のシートは一見地味だが、座り心地は良好。運転席の座面高はラチェット式レバーで調整可能なので、チルト&テレスコ(いずれの調整幅も40mm)が可能なステアリングと合わせて、ドライビングポジションも自由に選べる。またエアバッグは運転席と助手席の正面に加えて、運転席にはドライバーの下肢を保護するニーエアバッグも標準装備する。サイド&カーテンは8万4000円のオプション。
見やすい燃費情報。純正HDDナビ付なら「ETACS」も操作可
速度計と回転計の間にある液晶パネルには、各種情報のほか、平均燃費を大きめの数字でデジタルで表示する。面白いのは、その下に瞬間燃費を示すデジタル式のバーグラフがあり、瞬間燃費が平均燃費を上回ると、その部分のバーだけグリーンになること。こういう工夫があると、普段はあまり意味が感じられない瞬間燃費計も生きてくるというものだ。
また、メーカーオプションのHDDナビ「MMCS」装着車では、車両情報画面に過去3時間にわたる平均燃費と平均車速のグラフを表示できる。走行状況と燃費の関係が一目で分かる優れたグラフィックだが、HDDナビの価格が33万6000円~(グレードやBluetooth機能の追加等で異なる)と高いのが残念。もう少し安価だといいのだが。
なお、RVRは車両の電装システムをカスタマイズできる電装系制御システム「ETACS(Electronic Time and Alarm Control System)」を全車に標準装備するが、通常は販売店で端末につないで設定する必要がある。しかしこのMMCS装着車なら、ユーザー自身が自由に設定可能だ。ETACSの機能は主に、 ヘッドライト消灯機能やACC電源オートカット機能のカスタマイズ、電子制御ウインカーの3回点滅機能のオン/オフ、イモビライザーやセキュリティアラームの設定など。
Cセグ並みに広く、居心地のいい後席
乗降時にドア開口部の狭さ(特に足もと)、サイドシルの高さが少し気になる後席。座るとフロアトンネルに少し出っ張りがあるし、何となく前席やリアウインドウが近い感じもあるが、空間自体はアウトランダーベースだけに十分に広く、シートクッションも厚みがあって座り心地がいい。少なくともCセグメントカー(VWゴルフクラス)並みの居住性はある。これくらいの広さの方が前後で会話もしやすいので、4人家族のファミリカーにはちょうどいいかも。サイドウインドウは一番下まで下がる。
地味ながら面白い工夫は、リアシート背もたれのロック機構。背もたれの角度は、やや立った状態と、リラックスして座れる少し寝た角度の2段階から選べるが、素速く起こした時は少し寝た角度まで倒れる仕組みになっている。ロック時の音がガチャンと大きいのに最初はびっくりするが、仕組みを知れば納得できる。
スペアタイヤレス+床下収納ボックスが標準仕様
通常時のトランク容量は419リッター。SUVにしては小さめだが、Cセグメントのハッチバックよりは大きいから十分だろう。ちなみに7人乗り仕様があるアウトランダーの場合、5名乗車時の荷室容量は774リッターもある。
さらにアームレスト部のトランクスルーに加えて、前述の通り背もたれをシングルアクションで倒し、荷室を簡単に拡大出来る。この場合の奥行きは、カタログ値によると1510mmだ。
床下は標準仕様ではパンク修理キット+カーゴフロアボックス(床下収納)となるが、試乗車はオプションのスペアタイヤ装着仕様だった(1万500円高)。
基本性能&ドライブフィール
CVTはかなり低回転指向
試乗したのは最上級グレード「G」の2WD。全車共通の1.8リッター直4「4B10型」(139ps、17.5kgm)は、2リッターの「4B11型」や2.4リッター「4B12型」を小排気量化したもの。端的に言えば、パワーは排気量なりだが、燃費はその分いいというエンジンだ。
とはいえ、車重はこのFFの場合1360kg、4WDでも70kg増しと軽いから、かったるさはない。元気よく加速する時こそエンジン回転を2000回転以上に押し上げるが、常用するのは1200~2000回転。特に40~60km/h程度の巡航では、エンジン的に限界と思われる低さの1200回転を維持する。そのせいか、2000回転以下での加速時にガサついたエンジンノイズが出るのは惜しいが(気にならない時もある)、エンジンが完全に暖まる頃には出なくなる。100km/h巡航はCVTらしく約1800回転と低い。
それ以外は特に気になることもなく、軽快に、そつなく走る。三菱では初採用というコラムアシスト式電動パワステの操舵感もよく、最小回転半径は5.3メートルで小回りも効くし、乗り心地も悪くない。逆に言えば、低回転指向のエンジン以外、これといって特徴がないとも言える。
ワインディングでは、アウトランダーより腰高感があって、あまりスポーティではないが、8割くらいまでのペースなら問題なし。FF車の場合、ASC(=ESP)はオプションだが、現実にお世話になることはまずない。リアサスはアウトランダー譲りのマルチリンクで、タイヤも普通のサマー(試乗車はヨコハマ・アスペクの215/60R17)だから、かなり余力がある。
新採用「スーパーワイドHIDヘッドライト」はめっぽう明るい
夜間、山道を走ると実感できるのが、上級グレードに用意された「スーパーワイドHIDヘッドライト」がめっぽう明るいこと。プロジェクター式HIDヘッドランプから下方向に出る光を、リフレクターで反射させて、斜め左右を照らすものだが、その照射範囲はまさに「スーパーワイド」。斜め横のガードレールをはっきり照らし出すほどで、こんなに横方向が明るいヘッドライトは初めて。フォグランプの比ではない。また非照射範囲もはっきりしているので、対向車や先行車はまぶしくないはずだ。フォルティスやランエボ等に採用された固定式AFSも、車速や操舵などに応じて左右の補助灯が点いたり消えたりして面白いが、これも確かに悪くない。メーカーによると光量は通常のHIDに比べて約1.4倍だという。できれば全車標準が望ましかった。
10・15モード燃費は15.2km/L。試乗燃費は8.5km/L
10・15モード燃費は、試乗したFF車で15.2km/L、4WD車で15.0km/L。日本車では珍しい減速エネルギー回生システム(高効率発電制御)こそ採用するものの、7速DCTみたいな飛び道具がない割には、頑張った数字と思われる。JC08モード燃費は13.8km/Lだ。
参考までに、トータルで約250km走った今回の試乗燃費は、一般道・高速道路の混じったいつもの試乗区間(約90km)で8.5km/L。名古屋近郊の一般道をエコランした区間(約60km)では11.5km/Lだった。街乗りでは9km/L前後で推移しやすく、10km/L台に乗せるのは難しい。
ここがイイ
上級グレードなら装備もいい
完成度の高さは、さすがに昨今のクルマ。大きな不満はないから、たぶん誰が買っても満足度は高いはず。「SUV」の形をしたクルマとしては、まずまずの燃費だし、スタイリングも大きな特徴こそないが、綺麗にまとまっている。「ジェットファイターグリル」も、国産メーカーの中では今、最もわかりやすくブランドとしてのアイデンティティが表現できている部分。もちろん好みは別れると思うが。
試乗車の場合は、特に装備が充実していた。スーパーワイドHIDヘッドライト、ボタンスターター、パドルシフト、ETACSの操作もできる地デジ付HDDナビなど。メーカーオプションのナビはUSBがつながったし、停止すれば最近の三菱車同様、自動でテレビが表示される(ただしNAVI画面の場合はやはり無理)。パドルが使いやすいこと(疑似6速モードのシフトチェンジも素速い)や、「スーパーワイドHIDヘッドライトがあればAFSはいらないんじゃないか」と思わせるあたりも気に入った。
ここがダメ
これぞといった特徴がない
時にがさつさを感じてしまうエンジン音。風切り音も120km/hあたりから気になった。また全体にバランスよく出来ていて、装備もよく考えられているが、強烈な特徴が表に出てこないのは残念。なにかひとつ、ここは絶対にすごい、というポイントを意図的に作って欲しかった。
また、フェンダー上にある例のミラーは、特にサイドブラインドモニター等の対策はないようなので、レス仕様とするのは事実上不可能。デュアリスなどは小さめに作られているが、これは視認性を重視してか、かなり出っ張っている(実際見やすい)。気にしない人には全く気にならないのだろうけれど、気にする人には大きなマイナス要因となるのではないか。何か工夫が欲しかった。
総合評価
SUVこそ「新しいタイプ」のクルマ
このところ、急激にクルマが変わってきている。このところといっても、ここ15年くらいの長期スパンの話だが、それでもここ15年で「新しいタイプ」のクルマが次々に生まれているのは、その前の時代との大きな違いだ。
新しいといえば、EVがそうだが、例えばハイブリッド車のように日本ではヒットしすぎて、その新しさが意識されにくいものもある。先日、メルセデスのクリーンディーゼル車「E350 ブルーテック」に乗ったが、これも次世代自動車、新しい乗り物と定義付けられている。
パワーユニットは電気、ハイブリッド、クリーンディーゼルというあたりが新しいものだが、コンセプトとしてはSUVこそが新しいタイプのクルマだと思う。いつも書いている通り、オンからオフまでどこでも走れ、かつ4輪を制御しやすい4輪駆動車は、乗り物としては理想の姿。それにセダンの快適性やスポーツカー並みの操安性が加わった今どきのSUVは、クルマが本来あるべき姿といってもいい。
逆に、今ヒットしているCR-Zはパワートレインこそ新しいが、事実上2人しか乗れず、オフロードも走れない、用途の限られる乗り物に過ぎない。ホンダでいえば、かつてのHR-Vこそ新しい乗り物であり、HR-Vのハイブリッド(HR-Z?)が出たら、それこそが21世紀らしい新しい乗り物ではないか。
ただ、CR-Zが意外に大ヒットしているように、クルマ好きはある意味保守的だ。昔からの乗り物(スポーツカー)に、新しいパワートレインが載ったことには喝采はするが、SUVを好むというクルマ好きは少ない。現状のSUVはクルマ好きではない人たちに支えられている思える。あるクルマ好きではない友人は、ジムニー、HR-V、デュアリスと乗り継いでいるか、彼などその典型だ。見てくれのいい生活の道具として、遊びの足として、コンパクトSUVは彼にとって理想のクルマという。さらにクルマオタクに見えないこともメリット、だそう。たぶんコンパクトSUVでパワートレインが次世代になったら、彼は迷わず買い換えるだろう。モーターデイズもSUVを高く評価してきているが、反面、一台も買ったことはない。これは我々が古いクルマ好きであることを立証しているのかもしれない……。
次世代パワートレインに期待
欧州でもコンパクトなSUVは人気があるようだが、エンジンはディーゼルが主流。RVRにも欧州ではアイドルストップ機能付き1.8リッター直噴DOHCディーゼルターボが載るようだ。これぞ、新しい乗り物という感じなのだが、日本ではそうはいかない。今でもSUVは強そうな大型のものが好まれ、ディーゼルエンジンは見向きもされない。大きくて環境に比較的優しくないSUVが、実際にもイメージの点でもマジョリティだ。そしてそういった大型SUVで過去に一世を風靡した三菱が、今の時代に向けて精魂込めて開発したのがRVRなのだろう。エンジンこそ日本ではガソリンだが、それでもここまでやれるというほど、燃費も走りも向上している。
「新しいクルマ」の一台として、RVRは本当によく出来ている。全く不満なく、燃費もいいが、やはりガソリン車。となると欧州のディーゼル車をなんとか日本で売り出すとかいった、何かパフォーマンスが欲しいところ。別の次世代パワートレインが載ったなら、21世紀の乗り物として素晴らしいものになるだろう。プジョー・シトロエングループとの資本提携話は破談になってしまったようだが、三菱にはぜひがんばってもらいたいもの。一足飛びにEVの時代が来るのはまだ難しい以上、かつてディーゼル車で一世を風靡した三菱にこそ、クリーンなディーゼルを発売してもらいたいと思う。
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メルセデス・ベンツ、最新ディーゼルの「E350 BlueTEC」を名古屋で披露:MOTOR DAYS ピックアップニュース
メルセデス・ベンツ日本は2010年3月17日、最新クリーンディーゼル車「E350 BlueTEC(ブルーテック)」(2月24日発売)を主題に、東海地区のプレス向け懇親会・試乗会をウェスティンナゴヤキャッスル(名古屋市西区)で開催した。
ポスト新長期をクリアした次世代ディーゼル。AT車および輸入車で初
E350 BlueTEC。右がセダン、奧がBlueTECとしては世界初投入となったステーションワゴン
今回のプレス懇親会は、同日行われた顧客向け展示・試乗イベント「メルセデス・ベンツ BluePREMIERE」に先がけて行われたもの。
主役となる「E350 BlueTEC」は、新型Eクラスのセダンおよびステーションワゴンに設定された世界最先端のクリーンディーゼル車。先代(W211型)にあった「E320 CDI」の後継車だ。
その3リッターV6直噴ターボディーゼルエンジンは、排気量や形式を含めてエンジン本体は先代320 CDIとほぼ同じもの。最高出力211ps(155kW)、最大トルク55.1kgm(540Nm)というスペックや、おなじみ7Gトロニックこと7速ATを使う点も変わらない。
メルセデス・ベンツ日本からは上野金太郎副社長と商品企画マネージャーの豊生浩一氏らが出席した
大きく違うのは、尿素SCR(Selective Catalytic Reduction=選択型触媒還元)を新たに使った最新のクリーンディーゼル技術「BlueTEC」を採用した点。これは排ガス中に「AdBlue」(アドブルー=尿素水溶液を指す同社の商標)を噴射してアンモニアを生成した後、SCR触媒によって窒素酸化物(NOx)を80%無害化する仕組みだ。
もちろん、その前段階として超精密な燃焼制御を行うほか、自己再生型DPF(粒子状物質除去フィルター)を装着することによって黒煙は99%除去される。その排ガスのクリーン度は、一部のガソリン車すら上回るという。
これにより、世界で最も厳しいと言われる日本の「ポスト新長期規制」を、日産エクストレイルの2リッター直4ターボディーゼル(6MT)に次いで2番目にクリア。これは輸入ディーゼル車としては初であり、またAT車としても初の快挙だ。
なお、AdBlueの消費量は1000kmあたり約1リッター。タンク容量は24.5リッターなので、「だいたい2万kmまでは大丈夫」だという。新車の場合、AdBlueの補充は「メルセデス・ケア」によって3年間無償となる。
10・15モード燃費はE250 CGIすら上回る
メルセデス・ベンツ日本の上野副社長
もちろん熱効率の高いディーゼルエンジンゆえ、燃費性能は文句なし。10・15モード燃費はセダンで13.2km/L、ワゴンで13.4km/Lを達成。1.8リッター直4ガソリンターボのE250 CGI(セダンで11.4km/L)を1割以上も上回る。
メルセデス・ベンツ日本の上野副社長は、「欧州では軽油価格がプレミアムガソリンを上回るほど高くなっているが、それでもディーゼル車は乗用車の中でシェアが50%を越えるほど人気がある。日本での軽油価格はガソリンより安いので、日本のお客さまには、よりメリットがある」と訴える。
ディーゼル普及のための戦略的な価格+エコカー減税
また、E350 BlueTECはこうした優れたクリーン性能によって、日本では輸入車あるいはAT車としても初めて「クリーンディーゼルエコカー免税」対象車となり、取得税・重量税がハイブリッド車と同じ100%減税となる。セダンの場合、それは約52万円、車齢13年超の廃車を伴えば約67万円の優遇となる。
車両本体価格はセダンが798万円、ステーションワゴンが833万円(いずれも「アバンギャルド」のみ)。V6ガソリン車である「E300」と「E350」の間で、技術内容やパフォーマンスからすると圧倒的に安い、戦略的な価格となっている。これはもちろん、日本ではディーゼルに対するネガティブなイメージをまず払拭することが優先、という認識があるからだ。
なお、E350 BlueTEC セダンは欧州ですでに販売中だが、同ステーションワゴンは日本市場が世界初投入となる。欧州ではユーロ6の施行が2014年以降と、まだしばらく先であること、また米国ではステーションワゴンの投入予定がないからだ。
デイズのコメント
「クリーンディーゼル車は次世代自動車である」とメルセデス・ベンツ日本。夢のクルマがまた一つ、現実のものとなったことは大変喜ばしい。乗ってみてもトルクがすごいから、確かに他のクルマとはちょっと違うと実感出来る。下世話な話としては経済性も嬉しいところ。軽油はガソリンより安いから、乗れば乗るほど維持費に差が出る。今ならエコカー減税もあるし。ただ、大人気ゆえタマ不足。欲しいと思ってもすぐには買えない。
(photo:DAYS)
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